- くさ
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くさ【瘡】(1)皮膚にできるできもの・湿疹などの総称。(2)赤ん坊の頭などにできる湿疹。IIくさ【種】※一※ (名)(1)(「草」とも書く)何かを生ずる原因・材料。 たね。 多く「ぐさ」と濁り, 複合語として用いる。
「質~」「語り~」「お笑い~」
(2)種類。 たぐい。「唐土・高麗と尽したる舞ども~多かり/源氏(紅葉賀)」
※二※ (接尾)助数詞。 物の種類を数えるのに用いる。III「三~ある中に, 梅花ははなやかに今めかしう/源氏(梅枝)」
くさ【草】※一※ (名)(1)植物の中で, 木部があまり発達せず, 地上の部分が柔らかいもの。 冬になると枯れるものが多い。 草本。→ 木(2)屋根を葺(フ)く, 藁(ワラ)や茅(カヤ)。「~で葺いた屋根」
(3)まぐさ。 かいば。「牛つなぎて~など飼はするこそいとにくけれ/枕草子 177」
(4)(草の中に伏せて敵をうかがうところから)忍びの者。 しのび。 草屈(クサカマ)り。※二※ (接頭)名詞に付いて, 本格的ではないもの, 見かけは似ているが実質は異なっているもの, などの意を表す。「~野球」「~競馬」「~かげろう」
~青む春になって, いつの間にか草がそこここに生え出てくる。 ﹝季﹞春。~茂るあちこちに, いろいろな草がたくましく生い茂っている。 ﹝季﹞夏。~も揺(ユ)るがず全く風がない。 暑いさまや, 太平であるさまにもいう。~を打って蛇(ヘビ)を驚かす〔開元天宝遺事「汝雖打草, 吾已蛇驚」〕(1)ある一人をこらしめることで, それに関係する別の者をいましめる。(2)なにげなくしたことで思いがけない結果をまねく。 草を打って蛇に驚く。~を結・ぶ(1)健康・長寿・旅の安全などを祈るため, また吉凶を占うため, 草の葉や茎を結ぶ。 古代人の習俗。「妹が門(カド)行き過ぎかねて草結ぶ風吹き解くなまたかへり見む/万葉 3056」
(2)野山を行く時, 草を結んで道しるべとする。「~・びつぞ行かむとする, 其れを見て注(シルシ)として来たるべし/今昔 19」
(3)旅で野宿をする。 旅寝をする。「君が舟泊(ハ)て草結びけむ/万葉 1169」
(4)〔晋(シン)と秦の戦いの時, 娘の命の恩人, 晋の魏顆のために亡父の霊が草を結んで, 秦の杜回をつまずかせ, 恩返ししたという「左氏伝(宣公十五年)」の故事から〕恩に報いる。「只是犬川・犬田に代りて窃(ヒソ)かに~・びし也/読本・八犬伝 8」
~を分けて探・す「草の根を分けて探す」に同じ。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.